認知症の人の転居手続きは。。。。。
「本人」でないと手続きが複雑になる、今は特に。
転居するとなると、役所関係やら銀行やらと手続きが付いてくる。代理人で簡単に終えることができたらいいのだが、近頃はそれが難しい。
いつから「本人確認」が厳しくなったのだろう。この数年だろうか。認知症で寝たきりの本人は字を書くことすらできない。何もかも家族が代理で行う。
それが六年前より面倒になっている。自宅から老人マンションに転居した時よりも。たとえば、郵便の転送依頼がそうだ。以前はとても簡単だった。
郵便局から転送ハガキをもらって来て、転送先の住所と転居日を記入したらおしまい、だ。今では、それも「本人確認」の書類が必要だという。
本人が保険証を持って郵便局の窓口に行くと、そのハガキがもらえるらしい。代理人が申請となると委任状だの何だのが必要になり、面倒。
調べるとネットでも転送依頼ができるようで、それでうまくいった。転送を依頼した人の携帯番号でもって本人確認の代用にしているようだ。
区役所や市役所の転出と転入の手続きには、本人でない場合は委任状が必要だ。これもネットで探して印刷した。本人の印鑑を押して完成。
問題は固定電話だ。前回は自宅から老人マンションへの移転だったので、移設依頼をして工事日を決めたのだが、今回は解約することにした。
老人ホームに固定電話を持って行くことも可能だが、本人が電話をかけれなくなって何年にもなる。使わないまま面倒なのでそのままにしてきた。
おばあちゃん名義の電話の解約を家族ができるのだろうか。
老人マンションに行って、本人の電話から電話会社(何とかライン)にかけて解約を申し出た。解約金の金額を伝えられ、解約の理由を聞かれた。
何とかライン、だまされて加入したようなものだ。最初の脳梗塞発作の直前、九年前、おばあちゃんは電話で勧誘されたのだが、それとは知らず。
耳が遠いが、聞き返すと年寄りくさいのでプライドから「わかったふり」をして適当に「はい」と言ったらしい。NTTからの通知が来て驚いていた。
「長年のご利用ありがとうございました・・・」という文面を見て初めて「何とかラインに移されてしまったこと」に気がついたようだ。
「元に戻してほしい」と本人が何度も言うので、両方の電話会社に交渉してみたが、だめだった。戻るには再加入しかなく加入料を払うことになる。
おばあちゃんは「ハンコも押してないし、解約の書類も何も書いていない」と納得がいかないようで不満たらたらだった。電話は昔なら財産だから。
大金(十万円?)を支払って加入権を得ていた時代だ。昭和四十年代は。
その財産も今では電話をするだけで解約できた。おばあちゃん名義の電話が消えるというのは寂しい気もするが、感傷に浸っているヒマはない。