認知症の人を一人にしてはいけないが。。。。。
認知症の人を一人にしてはいけないが・・・
わかっていてもどうにもならない場合がある。
少人数の家族だけでは24時間の見守りは不可能だ。
家族は仕事や学校に行き、老人が一人家に残ることになるから。
で、その時間は施設や訪問介護に頼ることになるが、
本人が嫌がることが多い。
本人が「知らない人ばかりのデイサービスは行きたくない」
「知らない所は不安」「介護の人が、他人が家に入って来るのは嫌だ」
「気疲れする」とか言うからだ。
老人は認知症でなくても保守的で新しいことを嫌がるものだ。
認知症なら、なおさらだ。
認知症の人は環境の変化に弱い。
新しい環境に適応することが極端に難しいからだろう。
認知症になる前だったら必要性をじっくりと丁寧に説明すれば理解できる。
「新しいことは嫌だけど、認知症にならないためにリハビリに行こう」と、
しぶしぶ同意してくれる。
が、認知症が出てからは、何を言おうが、平身低頭でお願いしようが、
どれだけ時間をかけても、「嫌」と言ったらそれまで。
説得には応じてもらえない。
「一人にしてはいけない」と知りつつも、一人にしている理由はこういうことだ。本人が嫌がるから無理強いはできない。
デイサービスは「悪い人がいる。いやなことを言われた」とやめてしまった。
そして徘徊が始まり、どうしようもなくなって老人マンションに入居したのだが、この時も本人は「絶対嫌、そんな知らない人ばかりの所は行きたくない」と拒否していた。
いやいや入居したのだが、思ってもないことが起きた。
徘徊がなくなった。そして「一日に何回もヘルパーさんが来てくれて安心できる」と言うようになった。
知らない人(ヘルパーさん)が家に来るのは嫌だったはずだが。
どうなったのだろう。
「一人でいることの不安」のほうが、「他人が家に来る不安」よりも大きい、そういうわけだろう。
その一番大きな不安が解消されることで、徘徊がなくなったと思う。
小さな不安(新しい環境という)にこだわって大きな不安をそのままにしておいたこと、それが認知症を悪化させたようだ。
あとになってわかっても遅いのだが。
認知症の人を一人にしてはいけない。が、家族だけではどうにもならない。
介護関係だけでなく、ご近所、ボランティアなど地域の支援が不可欠だ。