これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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胃ろうのケアは簡単ではない。。。。。

胃ろうの手術は簡単だが、あとは煩雑なことだらけだ。
 
病院は胃ろう手術を気軽にすすめる。誰にでもできる短時間の手術で、胃ろうを付けたら退院できるので一件落着、ベッドが空くのを待っている患者を受け入れられる。
 
経口摂取、今までのように普通に「食べられるようにする」ことを考えてはくれない。
 
八十歳を超え、認知症があり、高血圧で心房細動による脳梗塞を多発していると、もう回復の望みは少しもないと判断されるようだ。嚥下が不可能でもなかったが。
 
「生きる、生存時間をのばす」という点だけを重視して「生活の質」を無視している。嚥下力が低下していても、筋力は高齢者でも回復するらしいから、リハビリは可能だ。
 
それに費やす時間、人件費、医療費がムダ、ということだろう。効果が期待できないからだ。保険外で、100%自己負担でのリハビリなら可能だったと思う。
 
人間、生まれてすぐに「食べる」ことを始める。母乳を歯茎で噛んで栄養をとっているから食べるのと同じだ。食べることによって生きていく。生きるとは食べることだ。
 
噛む力もあり、嚥下する能力も残っているが、生存を危うくする「誤嚥」の可能性が高いというだけで、それらを「ない」こととみなす。それが「胃ろう」だ。
 
人生の残りわずかな時間を食べたいものを食べて過ごす、それを放棄させ、お茶も飲めない状態で長々と生存期間を延長させる、それが「胃ろう」だ。
 
胃ろうは短期間の使用を想定して設計されたものらしい。感染症脳卒中などで一時的に嚥下困難になった場合に、回復するまでの栄養補給として。
 
認知症老人の長期使用にふさわしいものができたらいい。胃ろうは付けるのは簡単だが、あとのケアは簡単ではない。問題が多い。
 
うちのおばあちゃんは要介護5で胃ろうで寝たきりだ。胃ろうを付けてからは訪問診療のクリニックの看護師さんが老人マンションに来てくれている。毎日、二回。
 
プロだからと安心していたら、おばあちゃんが栄養液を吐いたという。栄養液が逆流したのだろうか。これは誤嚥や窒息、誤嚥性肺炎につながる危険がある。
 
また、胃ろうのチューブにカビが生えたとかで、代わりのチューブと消毒液を購入するから別途費用を請求するという連絡もあった。いろいろ問題があるものだ。
 
「施設から在宅へ」という今、プロでも問題多発の、簡単でない胃ろうケアを素人の家族ができるのだろうか。できないことを無理にやらされている、そんな気もする。