認知症、よく噛んで血流をあげ唾液を出す。。。。。
経口摂取と胃ろう栄養との大きな違いは、噛むことだ。
人間、生後すぐから「噛む」という動作を始め、生きている限り噛み続ける(はずだった)、胃ろうが普及するまでは。乳児はミルクを飲むというより、噛んでいるから。
よく噛むことで、血流があがり脳を刺激し、口の周りの筋肉トレーニングにもなる。また噛むたびに唾液が出て、口腔内の雑菌を殺す働きをしてくれる。
唾液はいつでも出ていると思いがちだが、口をポカンと開けていたり、閉じていても上下の歯が離れている時には出ていない。上の歯と下の歯がくっついた時だけだ。
老人がいつも口が渇くというのは、老化で唾液が減少している上に、柔らかいものばかりを好んで食べて噛むことが減り、唾液を出す機会を減らしているせいだろう。
胃ろうになると誤嚥性肺炎のリスクが高まるのはそういうことだ。噛まないから唾液が出ず、口の中は雑菌だらけになる。
胃ろうで口から食べないのに歯磨きが必要だとか、胃ろうなのに誤嚥性肺炎になったとか、そういう一見矛盾したことの背景には「唾液の殺菌効果」がある。
嚥下体操というのがあるらしい。発声訓練のようなもので、施設では行われているそうだが、重度になったらそれも難しい。「まねをする」ということができない。
それからすると基本的に胃ろうは避けるべきだと思う。短期間の使用以外は。