これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

FC2ブログに引っ越しました。週一回か二回は更新しています。

おばあちゃんの部屋を片付けると。。。。。

老人マンションに移っておいてよかった。
 
この五年間、何回もそう思ったが、退院を前にしてまた思う。これほどあちこち壊れてしまって(半身不随で胃ろうで寝たきりで会話も一方通行)家族だけでは無理だ。
 
自宅に連れて帰るなど考えられない。できる人はできるが、我が家の事情では不可能だ。それだけの介護力がない。条件的にも環境もそろっていない。
 
認知症の介護は誰にでもできるものではない。できる人とできない人がいる。
 
老人マンションに掃除に行った。二ヶ月も入院しているので、その間のホコリが積もっていて、捨てられていないゴミ袋が二つ、それでも狭いからすぐにきれいになる。
 
冷蔵庫の中も整理。しばらくは嚥下訓練用のゼリーしか食べられない。以前なら、ヨーグルトや野菜ジュース、果物、牛乳などでいっぱいにして帰っていたのだが。
 
主のいない部屋を片付けながら、おばあちゃんの家を処分した時のことを思い出した。特大のゴミ袋を百枚ほど使って、何回もゴミ出しをした。ものすごい量だった。
 
それでも追いつかず、結局はリサイクル業者に十万円も払ってやっと全ての物がなくなった。老人の一人暮らしで、わずか80平米の家で、あり得ないほどの量だ。
 
捨てられない物もある。アルバム、写真や手紙の束、親戚の結婚式などのビデオ、一部の衣類、おじいちゃんの遺品(趣味で集めていたレコード)、そして仏壇。
 
それらはリサイクル業者が五万円で神戸から大阪まで(うちの家まで)運んでくれた。サービスだというが、安いのか高いのか。二人がかりだから、人件費だろう。
 
家を一軒まるまる空にするというのは思ったより大変だ。この作業を今やれと言われたら体力的にできないかもしれない。親が高齢になれば子だって若くはない。
 
おばあちゃんは長生きするつもりだったのだろうが、ある程度の年齢になったら、身辺整理というか、物を減らす方向に転換すべきだろう。自分のためにも。
 
物が多すぎると、どこに何があるかわからない。探すのも面倒になり、買いに行く。何回も買いに行くのも面倒だから、一度にたくさん買っておく。予備として。
 
そうして同じ物がいくつもいくつも家にたまっていくが、しまいこんで使われない。
 
必要な物だけを残して、つつましく暮らす、そういうのが老人の理想の暮らし方だ。寝たきりになってみたら、老人マンションの25㎡の部屋でも十分なのだから。
 
わが家も徐々に「おばあちゃんの家」に近づいている。反省して、今日から少しでも物を減らそうと思う。「いつかそのうち」ではなく「今すぐ」、時は待ってくれない。