これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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親が認知症になったとき一番必要なことは。。。。。

親が認知症になった時、一番必要なことは・・・というと、
 
いい病院を選んで検査し適切な治療を受けさせること、それとも介護施設を探したり、訪問介護を依頼したりなどと、専門職に相談して適切な介護環境を整えること?
 
回想療法や作業療法運動療法音楽療法などなど、いくつもある「認知症を進ませないためのリハビリ」を探し、全くその気のない本人に押し付けること?
 
親が認知症になった時、家族にできることで最も大事なことは何だろう。
 
笑顔で「だいじょうぶ」と言って安心させることだ。そしてできるだけいつも側にいて、認知症の人の「はてしない」不安感を減らしてあげることだ。
 
そんな簡単なことだが、家族にとっては容易ではない。できないことが多い。
 
多くの場合、不安感でおかしくなった認知症の本人を見ていると、家族のほうがいっそう不安になり、とても笑顔ではいられない。これからどうなるのかという不安で。
 
「おかしくなった親を見て笑顔でいろ」というのは無理かもしれない。見たくないものを見て、聞きたくないことを聞かされて、笑顔でやさしく応対するというのは。
 
妄想や幻視、幻聴の話は笑ってすませられるものだけではない。こんな汚い言葉を使うとは、こんな下品で暴力的だとはという、あまりの異常さに圧倒される。
 
認知症だから」と聞き流す、平気ですませるという程度ではない。悪夢に等しい。
 
不安感が強いほどそれらの妄想や異常行動(BPSD)は激化する。不安感を減らしてあげるとおさまってくる。心が落ち着いてストレスが減れば、認知症も進まない。
 
しかし激しい妄想状態を見た家族が不安になって、まちがった対応をしていたら益々ひどくなり、手のつけられないほどになる。家族が落ち着くことが一番だ。
 
親が認知症になった時に、誰かそういうアドバイスをしてくれたらよかった。医療や介護に頼る前に、家族の心構えと、笑顔で「だいじょうぶ」の一言が大事だと。
 
認知症の人は一人では何もできない。本人もその違和感に気づいている場合もあり、一人になると不安でたまらない。何をするにも誰かに聞かないとできないから。
 
その不安を解消するには、いつも誰かが側にいること。つまらない質問の繰り返しを無視せず笑顔で答え「だいじょうぶ」と安心させることだ。
 
「これでいいの?」と言ったら「だいじょうぶ」と答える。それだけでいい。言葉の力はすごい。何回も言っていると自己暗示にかかり、自分の不安まで薄れる。
 
家族の不安感を最初に消す。それが認知症介護の起点になると思う。