これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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認知症の人にとってテレビは

認知症の人が見てもおもしろい、そんなテレビ番組は・・
 
ないのだろうか。ないだろうな。
話している言葉が聞き取れない。聞き取れても意味がわからない。
 
まだ字が読めるとして、字幕があっても消えるのが早くておいつかない。
もし意味がわかっても、そのときだけ。次のシーンでは忘れている。
 
話がつながらない。それが問題だ。
現実、周りの人とまともに会話ができないのだから、同じことだ。
 
本人は自分がたった今言った言葉の内容すら覚えていない(思い出せない)から。
他人が言った言葉の内容だって一瞬だ。メモリーが働いていないので。
 
うちのおばあちゃんにとって、テレビは「電気代がもったいない」ものでしかない。「何でテレビ見ないの」と聞くと、本人はいつもそう言う。ほんとうのことは言わない。
 
老人のプライドが言わせないのだろう。意味がわからなくて、何を見てもおもしろくないなどと。リモコン操作もできなくなって、チャンネルも変えられないなどと。
 
先日、老人マンションに行くとめったにないことにテレビがついていた。何を見ているのかというと、二時間ドラマの再放送。妻が夫を殺そうとしているシーン。
 
認知症が出る前は、「二時間ドラマは殺人ばかりで大嫌い。韓国ドラマはそんなのがなくていい。」と言って、冬のソナタや、春の、秋の何とかを見ていたのに。
 
おいおいどうなっているんだ、だが、たぶん見たくて見ているのではないだろう。たまたまその日はリモコンが使えて、テレビがついただけ。
 
別のチャンネルにすればいいが、その方法がわからないから、そのまま。どうせ何を見ても話の内容は全く頭に入っていないから同じことだ。
 
今やテレビは、「音の出る絵」だったり、「動いている絵本」だったり、その程度のものに過ぎないから。言葉のわからない外国のテレビ番組と同じ感じだ。
 
どうせ「音の出る絵本、動く絵本」ならば、きれいな音楽をつけて観光地の風景を次々と写す、そんな番組があれば認知症の人でも楽しめるかもしれない。
 
テレビを見る楽しみもない。「生きていても何の楽しみもない」と言うのも、納得。