これが認知症なんだ （３６４） 鍵が「カギ」

鍵を気にしなくなったら、老人ホーム入居を考える。

 

うちのおばあちゃんは神経質で用心深い、もともとは。認知症が出てからは、神経質（きれい好き）という部分は消えたが、「用心深い」し「気にする」性格は残った。

 

戸締りは特にうるさかったが、老人マンションに転居後も同じで、昼間でも自室のドアの鍵を内側から施錠していた。だから、家族がうっかり施錠を忘れると怒り出す。

 

家族やヘルパーさんが部屋に来ていて、おばあちゃんが一人でいるわけではないのに、どうしても内側から鍵がかかっていないと不安らしい。習慣というものだろう。

 

そういうわけで、要介護度があがってきても老人ホームへ移すことはあきらめていた。施設では多くの所が個室でもドアは開けっぱなしで、ましてや鍵などかけない。

 

今入居している老人マンションは老人ホームも経営していて、頼めば待機者リストに入れてくれるだろう。買い物など家族の負担は減り、費用は五万円ほど安くなる。

 

個室でも１５㎡程度（今は２５㎡）と狭く、部屋代が安くなるし、老人マンションは在宅介護だが、老人ホームは施設介護なので、介護保険の個人負担分が安くなる。

 

鍵の問題さえなければいいのだが。鍵が（老人ホーム入居の）カギだ。

 

２００８年の入居から今年で五年目、少し希望が見えてきた。ときどき「鍵かけた？」のチェックを忘れるようになった。それだけボケが進んだということだろう。

 

老人ホームに移る条件は整ってきたが、引越しとなると面倒でもあり、本人が環境の変化に耐えられるかという不安もあり・・・なかなか前に進めないでいる。