これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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これが認知症なんだ (329) 訪問口腔ケア

<That's Ninchi Show  No.329 >
 
歯科医による定期的な口腔ケアで誤嚥性肺炎のリスクが減る。
 
訪問歯科の請求書が届いた。おばあちゃんの老人マンションが契約している歯科クリニックからだ。12月分(計二回診療)は3040円。
 
医療保険分が1790円、介護保険分が1250円。治療ではなく検診と口腔清掃だけだ。後期高齢者低所得者は一割負担だから、公費その他が二万七千円も負担してくれたことになる。
 
いつまでこういう厚遇を受けられるのか、考えると不安ではある。二割負担となると二倍の金額だから、口腔清掃のために毎月六千円かかるとなると考えてしまう。
 
しかし、口腔ケアを怠ると、誤嚥から誤嚥性肺炎を起こし、入院→寝たきり→衰弱、最悪の場合は死亡、ということにもなる。その可能性が高い。
 
誤嚥性肺炎のリスクを減らすには、先ず口腔内の細菌数を減らすことだから、命がかかっていると考えると、毎月三千円や六千円は安いと言える。
 
訪問歯科診療は家族の付き添いの必要はない。初回だけだった。ヘルパーさんが歯磨きしてくれようとすると嫌がって暴れるらしいが、歯科診療はおとなしく受けたようだ。前回の虫歯治療の時も比較的おとなしくしていたから。
 
なぜだかわからない。お医者さんの白衣に対する敬意(信仰?)かもしれない。ヘルパーさんも白衣を着ていたら、介護拒否せずに歯磨きできるかもしれない。
 
請求書と一緒に診療内容報告書が届いた。口腔内の状態としては、「清掃不良」の項目にチェックしてあり、「口腔残渣、結構多く、歯肉の炎症もある」と書き加えられている。
 
さもあろう。歯磨きはできないし、ヘルパーさんが歯磨きしようとすると拒否するし、前回の診療から一年ぶりだから、相当汚いことだろう。
 
発病前までは「生まれてから虫歯が一本もない」ことを誇りにして、歯周病予防のために毎日毎回15分もかけて丁寧に歯磨きをしていた人だ。
 
変われば変わるものだ。神経質なくらいきれい好きだった人が、認知症になると口の中に食べかすがいっぱいでも気にならないのだから。
 
この変身ぶりを発病前の本人が知ったら驚くだろう。そんな未来の姿は絶対ありえないから。きれいなおばあちゃんになるつもりでいたことだろう。
 
なぜ歯磨きが嫌なのかは、まったくわからない。入浴拒否やシャンプー拒否、着替え拒否の理由がはっきりしないのと同じだ。困ったものだ。