これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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「認知症かも」と思ったら。。

認知症かも?」と思った時、どうするか。

その時どうするかによって、その後が大きく違ってくると思う。
うちの親が認知症になった時のことを思えば、そうだ。

自然災害など突発的に起こる異変に対しては、結果の良し悪しは行政などの初動がどうだったかによって大きく異なる。

初動によっては被害拡大が抑えられるからだ。

それと同様に認知症初期での初動というのは「その後の症状進行」という点で、かなり重要な位置にあると思う。

うちの親の場合は大失敗だった。
「なんか変」とは思ったが、「年が年だから」としてしまった。

親が認知症だと思いたくない気持ちがあって、後回しにした。
こと認知症に関しては「様子を見る」は絶対に避けるべきだ。

後回しにしたのは別の理由もあった。

「どこに認知症専門医がいるのか」わからないし、「それを誰に問い合わせしたらいいのか」もわからない。

認知症や介護について全く関心がなく、知識がなかったからだ。

今なら「日本認知症学会の認定専門医リスト」を検索して、近くの「地域包括支援センター」で相談してみたと思う。

専門医は「神経内科」「精神科」「精神神経科」「精神科もの忘れ外来」などの診療科に分かれている。

「精神科」というのは親にとっては抵抗がありそうだから、「神経内科」がよさそうだ。

(うちの親も最初は市民病院の「神経内科」に連れて行った)

認定専門医の多くは大病院の先生なので、予約も紹介状も必要だ。
紹介状は「かかりつけ医」に相談すると即解決するだろう。

介護認定のために急いで診断書が必要なら、ご近所の開業医(かかりつけ医)の先生でも「認知症の診断書」は出してくれる。

「要介護」と認定されたらデイサービスや訪問介護などを利用できるので、急激な症状悪化を抑制することもできる。

費用と時間をかけたくない場合はここまで(近所の開業医まで)で事はすむのだが、それでは適切な治療は難しいだろう。

認知症を起こした原因となる疾患は何か、そこを検査してもらって「どのタイプの認知症なのか」を知るべきだ。

同じ認知症といってもアルツハイマー病とレビー病では症状も対応の方法も投薬の注意点も大きく異なるから。

MRI」「脳血流シンチグラフィー」「心筋シンチグラフィー」などの検査ができて、タイプ診断ができる専門医の受診が必要だろう。

海馬など脳各部の萎縮や、脳各部の血流低下などを見ればある程度は区別がつくらしい。

「心筋シンチグラフィー」はレビー病の診断に必要だそうだ。

うちの親は記憶障害が出る前に歩行障害が出て、すり足(いわゆるパーキンソン歩行)になっていたので、

レビー小体が大脳にたまっていたかもしれない。

「脳血管型とアルツハイマー型とレビー型の三重苦だったのでは?」という疑問が今も残っている。

レビー病については検査していないからだ。

神経内科で「典型的なアルツハイマーなので、精神科に」と言われて、本人はショックだったのか、そこで終わってしまった。

その日の午後、同じ病院内の精神科で長谷川式テストを受けただけで再診は行かなかった。

「二度と精神科には行きたくない」と言い張ったからだ。



神経科の医師は「海馬が痩せているからアルツハイマー」で、自分の担当ではないとしたのだろうが、どうなのだろう。

レビー病やパーキンソン病の疑いがあったはずだが。
やはり認定専門医でないと難しいのだろうか。

時間や費用がかかっても認定専門医に診てもらったらよかった、
今となっては遅いのだが、時にそんなことも思う。

親が認知症になった時、その時の初動が大事だ。
後悔しないようにできるだけの事をしておくべきだと思う。



<That's Ninchi Show 2 No.1299>


   (MIBGシンチグラフィーは心筋シンチグラフィーのこと)

脳血流シンチグラフィーとMIBGシンチグラフィーによるレビー小体型認知症(DLB)の診断例

幻覚・妄想をともなう認知症の60歳代の男性です。
MRIでは脳萎縮のみが認められます。 99mTc-ECDによる脳血流SPECTでは、後頭葉にあきらかな血流低下がみられ、レビー小体型認知症を疑う所見でした。
123I-MIBGシンチグラフィーにて心筋への集積が高度に低下し、心臓の交感神経機能の低下が疑われます。パーキンソン病レビー小体型認知症では心臓の交感神経機能の低下が知られています。これらの所見の組み合わせから、レビー小体型認知症が強く疑われました。