これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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胃ろうで寝たきり、84歳の誕生日。。。。。

誕生日には花、プレゼントの定番だ。

普通はそれでいい。うちのおばあちゃんは胃ろうで寝たきりで認知症だが、それでも花を見ると喜んでくれるだろうか。そこが問題だ。

二年前まではケーキを買って行ったのだが、胃ろうでは。去年はプリザーブドフラワーをあげたと思う。五千円もするのに「てのひらサイズ」だった。

花屋に行ってしばらく悩む。プリザーブドにするか、生花のブーケやアレンジにするか。同じ値段なら生花のほうが豪華だ。大きくて見栄えがする。

老眼で白内障も進んでいるので、大きくないと見えないかもしれない。

白内障だと、青系の色がわからないこともあるらしい。紫が好きだったが、ピンクや赤系の花のほうがいいだろう。そんなことも考えて悩む。

目が悪いだけでなく、脳の視覚に関する場所も壊れているかもしれない。どの色がどんな風に見えているのやら、何がはっきり見えるのやら。

濃い色と薄い色、どちらがいいのだろう。脳の壊れ方が定かではなく、さっぱりわからない。ピンクと赤、色の濃い薄いも混ぜたほうがいいだろう。

大きいほうがいいが、大きすぎると狭い施設の個室では置き場所がない。ベッドサイドの小テーブルか、タンスの上か、だから。

いろいろ考えて適当な大きさの赤系のアレンジ、これが一番いいと決まった。本人は誕生日だとは全くわかっていないから何でもいいのだが。

何でもいいとは思っていても、できれば喜んでもらいたい。施設に行って、本人に花を渡すと一瞬うれしそうな顔をした。それだけだ。

「誕生日おめでとう」と言うと、以前は「誕生日はとっくに終わったよ」とかいうボケた反応があったが、今はそれもない。無言。

選びに選んで、時間をかけて、一瞬。努力したという自己満足だけだ。最後になるかもしれない「親の誕生日」だから、後悔のないように。

人生そんなものなのだろう。時間をかけて努力しても、輝くのは一瞬。輝かないことも多い。輝くのは稀だ。一瞬でも輝いたら満足せねば。

努力は報われず、誰にも評価されずともいい。自分が納得すれば。
成果はなくてもいい、やるだけやったなら。そんな気がする。