「誰にでも使いやすく」は認知症にも。。。。。
ユニバーサルデザインという言葉がある。
高齢化社会の今、メーカーにはそういう特別な配慮が期待されるが、仕様変更まで行わずとも単に規格の統一だけでも効果は大きいと思う。
たとえばパジャマのズボンだ。前開きでなく「前閉じ」の場合、前と後ろがわかりにくい。で、「前」とか「後ろ」とか書かれたラベルが縫い付けてある。
問題はメーカーによってラベルが前についていたり後ろにあったりで、ばらばらなことだ。統一して「いつも前」だったらどんなにいいだろう。
年寄りは老眼が進んでいるから「前」だの「後ろ」だのと書いてある字はたぶん見えない。「ラベルがあるから前」でないと難しい。
うちのおばあちゃんは認知症を発症してからパジャマに着替えなくなった。普段着のままで夜も眠るようになり、それが何年も続いた。
単に面倒になったのだと思っていたが、理由はそのあたりにあるのかもしれない。一人暮らしで誰も手伝う人がいなかったから。
どっちが前なのか後ろなのかわからず、一人で悩んで、はいてみてから「何か変、違うみたい」と思って脱いで、しまいにはイライラしてしまう。
そんなことが何回もあったのだろうか。今となってはわからないが、その時に「ラベルがあるほうが前だよ」と助言する家族がいればと思う。
ただ、発症直後のストレスの大きい時期に誰かが見守ってくれていること、それがあるかないかは本人にとっては大きな違いになるだろう。
そんな大事な時期に一人暮らしをさせたことは今でも悔やまれる。