これも認知症なんだ<That's Ninchi Show 2>

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腹八分目というが介護も八割で。。。。。

認知症の介護は「ええかげんに」、テキトーに、アバウトにすますのがいい。
 
「がんばらない介護」とか「介護は一生懸命やってはいけない」と、今まで言われてきたが、まさにそうだ。時間的にも、仕事量としても際限のないものだから。
 
主婦の家事と同じで、介護はどこまでやっても終わらない。介護するほうと、介護されるほうとが、生きている限り続く。全力で長期戦というわけにはいかない。
 
また家事と同じで完璧をめざしても、どんなに力を尽くしても完成はない。家事はやってもやっても、いくらでもすることが出てくる。これで終わりというものがない。
 
同じように認知症の介護には「ここまでやったから完了、完璧」という到達点はない。よって満足感もないし、達成感もない。一生懸命になればなるほどむなしいだけだ。
 
何事も一生懸命になって努力する人、目標達成のために全力を尽くす人、理想主義・完全主義の人は、人生では成功しても、認知症介護では敗北者にもなる。
 
目標を立ててがんばっても、ほとんどの場合、目標は達成されない。成功したかと喜んでもつかの間、症状悪化や病気や転倒骨折などで、またもとに戻る。
 
何度も何度もその失望感やストレスを重ねるうちに、介護しているほうの人が「うつ病」などの精神病やそれから引き起こされる身体の不調に悩むようにもなる。
 
努力がそのまま素直には反映されないのが、認知症の介護だ。できるだけのことをしたいという気持ちで最大の努力をしても、それに値する結果は得られない。
 
理想は理想として置いといて、自分のできることに制限をつけ、範囲内で終わらせるのがいい。腹八分目というが、介護も八割でおさめておくのがいい。
 
岡目八目というが、対戦している当事者より傍観者のほうが戦況がわかり、次の手がひらめくように、一生懸命の時には見えないこともある。
 
一生懸命をやめて、心に余裕を持つことで、広く客観的に問題と向き合うことが可能になり、適確な状況判断ができるようになる。見えなかったものが見える。
 
「自分はここまで」という範囲を決めたら、その範囲内の最善を尽くす。それだけで十分だと思う。認知症の介護は誰にでもできるものではない。